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大貫 晃; 秋本 肇
Proc. of ASME Heat Transfer and Fluids Engineering Divisions (HTD-Vol. 321,FED-Vol. 233), 0, p.473 - 478, 1995/00
大口径垂直管(内径0.48m)内空気-水二相流の流れの構造を調べるため、電磁流速計による液流速分布の測定を行った。最初に空気-水二相流下での電磁流速計の測定精度をチェックし、気泡粒での約2m/sまでの局所液流速を10%の精度で測定できることを確認した。次に大口径垂直管内の局所液流速の半径方向分布の測定に適用し、次の結果を得た。(1)空気流量が増加するにつれて、流路中心での軸方向液流速は高くなり、壁近傍での液の流れは下降流となり、液流速変動の非等方性の程度は大きくなる。(2)テスト部下端から1m程度の高さまでは流れは未発達であり、それ以上の高さでは軸方向液流速の分布形及び値はほぼ同一となり、発達した流れと考えられる。
中村 秀夫; 片山 二郎; 久木田 豊
Power Plant Transients,1992; FED-Vol. 140, p.9 - 16, 1993/00
これまで、PWRのミッドループ運転(原子炉停止時に、炉心崩壊熱を余熱除去系を用いて除去しつつ、一次系水位を水平配管付近まで下げて各種作業を行う)時に、余熱除去系が何らかの原因で停止し、炉心冷却材が沸騰する等、いくつかの事象例が報告されている。なお、ミッドループ運転時には、一次系は大気圧で室温に近く、気相部は非凝縮性ガス(空気又は窒素)で満たされている為、事象では、非凝縮性ガスが関与した複雑な熱水力挙動が発生する。ここでは、LSTF装置を用い、1次系に開口部が無い条件で実施した模擬実験の結果をまとめた。実験では、余熱除去系停止後、炉心沸騰、蒸気発生器(SG)での蒸気凝縮が生じたが、それに伴い、1次系気相部内の非凝縮性ガス(空気)がSG伝熱管内に蓄積されることが観察された。更に、簡単なモデルを用いた1次系の圧力予測を行い、1次側圧力を低く保つために、SGの2次側冷却材が重要な働きをすることを示した。
安濃田 良成; 片山 二郎*; 久木田 豊; R.Mandl*
Power Plant Transients,1992; FED-Vol. 140, p.89 - 96, 1993/00
ROSA-IV/LSTF装置を用いて、全電源喪失時の2次系減圧操作に関する実験を行った。原子炉の全電源喪失事故は、極めて起こりにくい事故ではあるが、原子炉リスクを考えるうえで重要である。本事故シナリオでは、発電所外および所内の全ての動力用電源(非常用電源も含む)が使用不能であり、かつタービン駆動補助給水系が不作動であると仮定した。この様な事故がシビアアクシデントに拡大することを防止する手段として、2次系減圧操作の有効性について実験した。この操作は、給水ポンプ停止後も給水ラインに残留している未飽和水が減圧沸騰する際の体積膨張によって、蒸気発生器2次側に噴出する効果を利用するものである。実験では、この操作によって、1次系圧力が急低下し、加圧器内に保持されていた1次冷却材が減圧沸騰により押出され、炉心に移行した。その結果、炉心は冠水し、冷却が維持された。
与能本 泰介; 久木田 豊
Proc. on the ASME Winter Annual Meeting, 8 Pages, 1993/00
事故条件下での受動安全注入系の熱水力挙動を検討するためにPWR模擬装置ROSA-V/LSTF装置を用いて実験を行なった。その結果、破断直後に一次系と受動安全注入タンクの間で自然循環が生じ、タンクの上部に高温水が蓄積し、このため、タンク内に定格運転時に存在した低温水と蒸気は直接接触すること無く、タンクからダウンカマに安定に冷却水が注入されることが明らかになった。RELAP5/MOD3コードによる解析結果は数値拡散の影響を強く受け、メッシュ数の増加とともにより良く実験と一致したが、タンクを90メッシュで模擬した場合においても、数値拡散の影響を完全に取り除くことはできなかった。これに対して、以前に著者らにより開発された解析モデルはRELAP5と比べてより少ない計算メッシュで流体温度を良く再現した。
秋野 詔夫; 功刀 資彰; 黒沢 昭*; 浅野 泰久*; 鷺谷 昭二郎*; 中西 真行*
Experimental and Numerical Flow Visualization, p.247 - 254, 1991/00
本研究は、液体中の温度及び流れを可視化できる感温液晶懸濁法の基礎に関するものである。二種の感温液晶粒子を3種のシリコンオイルとに分散させた懸濁液の光学的特性を、温度と濃度をパラメーターとして測定した。まず、分光計によるスペクトル特性の測定を行い、光学的特性が分散煤体によって異ることを見出した。次いで、色彩計により、温度と色彩の変化を定量的に測定した。その結果、明度は濃度に依存するため温度の指標として使えないことを明らかにした。色相によって、温度を精度良く評価できることを明らかにした。最後に、デレビカメラと画像処理装置を応用したシステムを構成し、自然対流中の温度分布を計測した。すなわち、液晶懸濁液の光学的特性を明らかにすると共に、温度分布を計測できるシステム開発した。
久木田 豊; 安濃田 良成; 浅香 英明; F.Serre*
Power Plant Transients; 1990, p.7 - 14, 1991/00
PWRの全電源喪失事故(TMLBシーケンス)を模擬した実験をROSA-IV LSTF装置において実施し、計算コードRELAP5/MOD2及びCATHARE-1を用いて実験後解析を行なった。実験においては、まず蒸気発生器2次側冷却材が炉心崩壊熱のために過源開始後約5000秒で完全に蒸発して蒸気発生器による原子炉冷却機能が失われ、その後、1次系の圧力上昇により加圧器安全弁から1次系冷却材が流出して、過渡開始後9700秒で炉心露出が開始した。計算コードによる解析は実験結果をおおむね良好に再現したが、蒸気発生器2次側の水位の計算に若干の問題がみられ、これが1次系の挙動の予測に影響をおよぼした。
熊丸 博滋; 藤井 幹也*; 下桶 敬則; 田坂 完二*; 久木田 豊
Thermal Hydraulics of Advanced Heat Exchangers, p.31 - 37, 1991/00
(密着)二重管型熱交換器(蒸気発生器)の安全性を向上させるため、熱サイフォン式二重管型熱交換器を提案する。熱サイフォン式二重管型伝熱管の伝熱性能を調べるため、1次系流体、作動流体、2次系流体に、沸騰水、減圧した水、室温流動水をそれぞれ用いて実験を行なった。実験で求まった最大総括熱通過率は、熱サイフォン部内の全外管表面で沸騰かつ全内管表面で凝縮と仮定した簡単な計算手法により求めた結果とよく一致した。この計算手法により実炉条件に対して求めた熱サイフォン式二重管型伝熱管の伝熱性能は、(密着)二重管型伝熱管の伝熱性能とほぼ等しくなった。総括熱通過率と充填率の関係を予測する計算モデルも、本論文中に提案されている。
安濃田 良成; 久木田 豊; 田坂 完二*
Advances in Gas-liquid Flows,1990, p.283 - 289, 1990/11
高圧、低流量条件での原子炉燃料集合体内のボイド率分布を予測するために、ROSA-IV LSTFによる実験を行なった。実験は、圧力1~17.2MPa、平均熱流束4.5~62kW/mの広範囲な条件でボイド率分布の測定を行なった。実験データを用いてCunningham-Yeh相関式およびChexal-Lellouche相関式の評価を行なったところ、これらの相関式は、広範囲の圧力に対する予測が不十分であることが明らかとなった。そのため、広範囲の圧力、熱流束条件に適用できる新相関式を提案した。
藤井 幹也*; 安濃田 良成; 村田 秀男; 与能本 泰介; 久木田 豊; 田坂 完二*
Thermal Hydraulics of Advanced Nuclear Reactors, p.85 - 89, 1990/11
PIUS型炉を原理的に模擬した小型実験装置において、下部ハニカム全長間差圧により密度境界の位置制御を行い、その制御性能を調べた。本制御方式は、ハニカム内温度分布により定まる差圧を設定し、密度境界層の位置及び温度分布が変動することにより生じる差圧設定値との偏差をポンプ回転数にフィードバックし、常に密度界面における両ループ間の静水頭差をポンプ吐出圧でバランスさせるものである。比例回転数制御のみではポイズンループに生じるマノメータ振動がポンプの慣性のため収束せず大きな定常偏差が残る。この対策として制御ロジックに減衰項を付加した結果、定常運転のみならず、スタートアップや出力変更時の様に系内温度分布が大きく変化する過渡条件においても密度境界層を安定に維持することができ、PIUS型炉の操作においてハニカム間差圧が有効な制御指標となることが示された。
岩村 公道; 大久保 努; 村尾 良夫; 末村 高幸*
Thermal Hydraulics of Advanced Nuclear Reactors, p.31 - 38, 1990/00
原研では、燃料の有効利用を目的として、扁平二重炉心型高転換軽水炉(HCLWR)を開発中である。本炉は、P/Dが1.23で高さ60cmの扁平炉心を中間ブランケットを介して二段に重ねたもので、上部及び下部にもブランケットを有す。本炉の熱水力学的成立性を調べるため実験的及び解析的研究を実施した。まず、限界熱流束、圧力損失、及び再冠水炉心冷却の実験を実施し、本炉の熱水力特性評価手法を検証した。次に運転時の熱水力特性を評価した結果、本炉は現行軽水炉の最小DNBR基準を満足し、集合体圧力損失も現行軽水炉以下であることがわかった。また、最適評価コードJ-TRAC、KfKのCHF相関式と組合わせたサブチャンネル解析コードCOBRA-IV-1等を用いて、大破断LOCA、一次冷却水ポンプ軸固着事故、及び外電喪失ATWSの解析を実施した。解析結果より、いずれの事故の場合も、本炉は現行軽水炉の安全基準を満足することが分かった。
久木田 豊; 田坂 完二
Natural Circulation in Single-Phase and Two-Phase Flow, p.77 - 83, 1989/00
PWRの蒸気発生器2次側水位が著しく低下した状態での1次系内自然循環現象は、給水喪失事故等の解析に関し重要である。本報では、ROSA-IV LSTF装置による自然循環実験で観察された蒸気発生器伝熱管の非一様流動挙動について述べる。本実験で見出された新しい現象の一つに、伝熱管を通過する流量の振動現象があるが、計算コードCATHAREによる解析に基づき、本現象の重要因子の一つが蒸気発生器2次側の蒸気の温度成層があることを示す。
中村 秀夫; 安濃田 良成; 村田 秀男; 久木田 豊; 伊藤 秀雄; 小泉 安郎; 田坂 完二
Forum on Industrial Applications of Fluid Mechanics,1988, p.77 - 80, 1988/00
高温高圧水/蒸気二相流の可視観察及び可視流動診断は、沸騰や凝縮、更に複雑な二相流条件を扱う多くの工学的応用分野で必要とされている。本発表では、原研のROSA-IV計画に於て進められてきた。光ファイバーを用いた小型の高温高圧水/蒸気二相流観察用ビデオプローブの開発と応用について述べる。
久木田 豊; 安濃田 良成; 中村 秀夫; 田坂 完二
Thermal Hydraulics of Nuclear Steam Generators/Heat Exchangers, p.29 - 37, 1988/00
PWRの小破断LOCA時には、蒸気発生器(SG)伝熱管の上昇流側からの水の流出が下降流側にくらべて遅れ、これに伴って生ずるSG出入口間の圧力差によって炉心水位が低下する場合がある。本報は、ROSA-IV LSTF装置による実験結果に基づいてSG伝熱管からの水の流出挙動を検討した結果について報告するものである。本報では、(1)上記のような伝熱管の非対称挙動は、二相自然循環過程での冷却材の移動によるところが大きいこと。(2)伝熱管からの水の流出に際しては、並列に接続された多数の伝熱管の不均一流動が重要な役割を果たすことを示す。
小泉 安郎; 熊丸 博滋; 三村 裕一*; 刑部 真弘*; 田坂 完二
Thermal Hydraulics of Nuclear Steam Generators/Heat Exchangers HTD,Vol. 102, p.21 - 28, 1988/00
ウェスチングハウス型PWRを1/48に縮尺模擬したLSTF実験装置において、蒸気発生器の定常熱伝達実験が行われた。実験は、1次側が強制循環、単相及び二相自然循環、リラックス様式、2次側は定常時水位から大巾に低下した状態まで、更には蒸気発生器熱負荷を変えて、種々の条件下で行われた。この結果に対して、RELAP5/MOD2コードを用いて解析を行った。